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知的財産権講座(107)

和歌山大学顧問

杉本特許事務所所長弁理士 杉本勝徳

「商標について」B
 商標法第3条には登録できない商標を列挙している。第1項第1号「その商品又は役務の普通名称を普通に用いちれる方法で表示する標章のみからなる商標」。この規定の意味は指定商品〔りんご〕に「りんご」という商標は登録できないという、ごくあたりまえのことを規定したものであるが、指定商品〔りんご〕に「倫御」と表示した商標は「商品又は役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示した場合」に該当しないと思われるので登録になる可能性がある。

と前回説明したが、この他にも登録になる大事な場合があるので次回に説明すると述べた。それは次の場合だ。コンピューター、パソコンそしてスマホに世界的に著名な「アップル」ブランドがある。「アップル」は「りんご」の英語にすぎないので、当然に指定商品〔りんご〕に「アップル」は登録できない。しかし前記コンピューターに「アップル」は世界中に商標登録されて(一部の国で登録されずに侵害されている場合があるが)いることはどう解釈するか。

商標法第3条第1項第1号の規定は、指定商品または指定役務の普通名称と同一のものは登録できないのであって、指定商品または指定役務と関係のない他の普通名称は登録になるのである。ゴルフ道具とは関係のない自動車に「ゴルフ」という著名なブランドがあるが、正に「アップル」と同じ例である。


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