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知的財産権講座(100)

和歌山大学顧問

杉本特許事務所所長弁理士 杉本勝徳

「意匠独特の制度(5)」
意匠法には意匠権に係る独特の制度がある。部分意匠(意匠法第2条第1項第2項)、組物の意匠(同法第8条)、関連意匠(同法第10条)、秘密意匠(同法第14条)等がある。部分意匠とは、物品の1部分の登録を認めるものである。意匠法は完成品でなくても物品の部分でも、独立して取引されている物については従来から登録を認めている。

例えば時計のベルト部分については単独で取引されているので、腕時計全体でなくてもベルト単独で登録されてきた。しかし、腕時計本体の文字盤や腕時計本体のケースについては単独の取引がないので登録を認められなかった。平成10年の改正によって前記した物品の部分でも登録が認められるようになった。

物品の部分が単独で登録されることになった利点は大きい。メガネを考えてみると顕著だ。メガネの蔓は単独で取引されることはないが、蔓のデザインは多彩であるにも関わらず、メガネ全体でのみ意匠が登録される結果、蔓の意匠が変更されても、メガネ全体で登録せざるを得ず、メガネ本体(レンズ部分)の意匠が変更されたときは、蔓とレンズ部分の組合せを総て出願する必要があった。それか蔓のみ単独で登録されると、レンズ本体の意匠がどの様に変更されようと蔓が同一であれば権利が保護されることになる。

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