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知的財産権講座(63)

和歌山大学顧問

杉本特許事務所所長弁理士 杉本勝徳

「こんな発明あんな特許」(31)
電柱ワイヤーの蔦ストッパーの権利侵害訴訟事件の第1審は大阪地裁で行われ、意外な結果に終わりました。大阪地裁の判断は、前回述べたように、侵害者の製品は両円筒端から10センチ内側に入った部分で遮光状態に支索に当接する構造なので、クレームの権利範囲に抵触しないという理屈で、原告敗訴になってしまいました。もちろん権利者は大阪地裁の判断に納得しませんので、直ちに大阪高裁に控訴しました。

大阪高裁では、10センチ内側に入っていても、実質それは筒の両端と見做され、被告製品は権利を逃れるための設計変更に過ぎず侵害を構成するとして、原告の主張を認める判決となり、損害賠償金額(和解)も受け取ることに成功しました。このように地裁と高裁で全く逆の判断が出されることは時々あります。

その理由は、それほど特許の権利範囲の認定は難しいということです。明細書を作成する弁理士も、侵害者がどの様な設計変更で模倣してくるかを想定して、容易に模倣されない強い権利を取得しなければならないという事例です。

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