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知的財産権講座(119)

和歌山大学顧問

杉本特許事務所所長弁理士 杉本勝徳

「商標について」N
 商標出願して不幸にも拒絶理由を食らった時の対処方法について前回少し説明したが、更に審査・審判の過去の登録例について述べる。前回は、特許庁の拒絶理由が先願に類似の登録商標があった場合の対処方法について、一つは類否の判断、もう一つは指定商品の分割について説明した。実はこの他にも過去の審査・審判についても有利なものがあれば意見書の中にそれらを述べることが必要である。

例えば「福」の文字を「打出の小槌」の図形とともに商標出願したところ、拒絶理由において先登録商標で「富士山」の山肌に「福」の文字の入った商標が引用された場合について考察する。この場合両者とも「福」の文字があり「ふく」の称呼同一で類似と判断されたのであるが、拒絶理由としては間違っていないと思われるので、如何なる意見を述べて審査の判断を覆すかが出願人の義務である。

そこで必要なのは過去の審査・審判の登録例で有利なものを探すことだ。例えば「福」の文字だけの登録商標と「動物」の胴体に「福」の文字の入った登録商標が類似の指定商品で登録にてっていることが発見出来たときは、両者は観念が相違することによって登録になったと思われるので、本願の「打出の小槌」と「富士山」は何れも明確に観念が相違するので、これを証拠に意見書を提出すると拒絶理由が解消される可能性がある。

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