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知的財産権講座(91)

和歌山大学顧問

杉本特許事務所所長弁理士 杉本勝徳

「実用新案出願の要件(4)」
実用新案制度は中小企業にとって利用価値の高い制度と思われる。前回迄に述べたように、実用新案制度は無審査で同じ技術が重複して登録になっている恐れがあり、しかも権利行使の際には技術評価書が必要なので、大企業は殆ど実用新案制度を利用していない。出願件数も年間1万件程度で特許出願の30万件と比較にならない。このことによって実用新案制度廃止云々の議論がある。

しかし中小企業にとっては利用価値が大きいのは、出願されると3〜4か月で登録になることだ。中小企業は一般にライフサイクルの短い商品が多いので、商品発売から数カ月が競争の勝負と見られる。特許出願すると公開に1年半(申請によっては早くなる)掛かり、さらに審査請求すると15万円以上の印紙税が必要になる。特許出願は費用的には実用新案出願の5割以上の割高になるが、それよりも、登録が早いので権利行使が早期に出来る大きな利点がある。例えばライフサイクルが2年程度の商品だと、発売から数カ月以内にコンペティターの競合品を押さえる必要があるが、特許出願では時間が掛かりすぎて迅速に法的対応が出来ない恐れがある。

実用新案制度は法的対応の時間の早さが最大の武器になる。尚、実用新案出願しても必要に応じて特許出願に変更できるので、商品の販売状況に応じて対応すれば良い。

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