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知的財産権講座(78)

和歌山大学顧問

杉本特許事務所所長弁理士 杉本勝徳

「特許取得の条件(5)」
特許を取得できる第三の条件は発明の新規性である。特許法第29条第1項第1号には「特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明」は特許取得できないと規定されている。要するに世界中のどこかに同じ発明があれば特許できないという規定だ。法律は「発明」といっているが、発明とは言えない単なる創作とか思い付きの技術も含めて、同じ物が世界中のどこかにあれば特許にしないということである。法律は「日本又は外国において」と規定しているが、実際の審査の実務では外国公知技術を検索することは事実上不可能なので特許出願の拒絶理由としてサーチすることは殆ど無く、専ら日本国内に過去の技術で同じものが在るかどうかの審査になっている。また、「公然知られた発明」であるから、以前から(昔から)一般的に使用されたり実施されている当たり前の技術のことを規定しているに過ぎない。例えばペーパーに単なるミシン目を入れれば破断し易いことは誰でも知っているので、公然知られた発明に該当する。また、パソコンにキーボードで入力する事も一般的な技術である。しかし、前2例とも、そこに何らかの工夫が凝らされ、従来に無い効果を奏するよるものであれば、それは公然知られた発明そのものではないので特許の対象になる。このように一般的に知られた技術であっても、他の技術をプラスすることによって新規性が生じて、29条第1項第1号の規定はクリアされる。


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