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知的財産権講座(90)

和歌山大学顧問

杉本特許事務所所長弁理士 杉本勝徳

 「実用新案出願の要件(3)」
 前回、実用新案権の権利行使には実用新案技術評価書が必要だと述べたが、実用新案法第29条の2に「実用新案権者又は専用実施権者は、その登録実用新案に係る実用新案技術評価書を提示して警告をした後でなければ、自己の実用新案権又は専用実施権の侵害者に対し、その権利を行使することができない。」と規定されている。

実用新案技術評価書については、特許庁に請求することによって受けることができる(実用新案法第12条、第13条)。この実用新案技術評価書には6段階の評価が示され、権利行使が可能な評価を受けないと権利行使をしても無意味だ。評価の6番目に「新規性等を否定する先行技術文献等を発見できない。」という項目があるが、ここに評価を貰えれば権利行使が可能になる。前回にも述べたが、実用新案権は無審査で登録になるから、重複した先願の権利が存在したり、実用新案法に規定する要件を満たしていない場合でも登録になっている恐れがあるからだ。

実用新案権の権利行使とは特許権の権利行使と同じで、差止請求権及び損害賠償請求権があり、それらの権利を行使する前に侵害者に警告するが、この警告も当然に権利行使となることに注意が必要だ。もちろん6番目の評価をなされていないのに権利行使しても殆ど無意味である。


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