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知的財産権講座(62)

和歌山大学顧問

杉本特許事務所所長弁理士 杉本勝徳

「こんな発明あんな特許」(30)
電柱ワイヤーの蔦ストッパーが大ヒットしたので権利侵害品が現れて、話合いが付かず差止請求と損害賠償請求訴訟になってしまいました。前回述べたとおり侵害者は実用新案登録請求の範囲(クレーム)の最後の「・・・円筒状の両端部が遮光状態に支索に当接する」部分を捉えて、設計変更してきたのです。
それは「両端部」ではなく円筒状の両端から10センチ内側に入った部分で遮光状態に支索に当接する構造なのです。10センチ内部に入って遮光状態に支索を挟持しているので、クレームの権利範囲に抵触しないという理屈です。

ところでなぜ「遮光状態」にしなければならないかというと、蔦は支索ワイヤーを巻きながら上がっていくので、筒体中心部を貫通しているワイヤーと筒体の間に隙間が生じると、その隙間を狙って蔦は上方へ這い上がっていってしまうのです。
そして最初は小さな隙間がどんどん広がって筒体自体の存在が無意味になるだけではなく、筒体がワイヤーから浮いて下部に向かって落下していくことになります。


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