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知的財産権講座(79)

和歌山大学顧問

杉本特許事務所所長弁理士 杉本勝徳

「特許取得の条件(6)」
前回、特許を取得できる第三の条件は、発明の新規性であり公然知られた発明ではないことである、と説明したが、今回は同じ新規性でも公然実施されている発明(特許法29条1項2号)と刊行物に記載された発明または電気通信回線によって利用可能となった発明(同条項3号)について説明したい。

2号は「公然実施」であるから、誰でも実施状況を知り得る状況のもとで発明を実施している場合は2号に該当するが、工場の奥に設けた設備等で、一般には見られることのない発明の実施については、「公然」実施とは言えないと思われるので2号に該当しない。
3号は刊行物及び通信回線公知であるから、実施状況あるいは実施の有無に関係なく、頒布された刊行物に記載されているだけで3号に該当する。
インターネット公知も最近では多く見られるので、出願を志す発明者は出願まではインターネットで公表しないことだ。

また頒布された刊行物に記載された場合も同じく新規性を喪失するので、出願前の論文発表等は危険な行為と言える。大学教授等の大学関係者は研究成果の論文発表を急ぐあまり出願前に発表して特許取得出来ないケースが多い。
もちろん、特許法30条には「発明の新規性の喪失の例外」という規定が設けられており、6か月以内に出願すれば公知にならない特例が存在するが、その手続が結構面倒なことと、手続を忘れることがあった場合は特許取得出来ない恐れがある。


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