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知的財産権講座(65)

和歌山大学顧問

杉本特許事務所所長弁理士 杉本勝徳

「こんな発明あんな特許」(33)
前回はタマネギネットの実用新案登録請求の範囲を公報に沿って述べましたが、簡単に分かりやすく述べますと、ネットを構成している糸よりもラベルの材質の方が熱溶融点が低いので、ラベルが溶融する程度の熱を掛けるとラベルだけが溶けてネットは融けないけれども、ラベルはネットに融けて確り貼り着くという技術内容です。
ネットを構成する糸は中低圧ポリエチレン樹脂であり高密度であるので、低密度のLーLDPE樹脂製フィルムよりも溶融点が高い事が特徴で、その温度差は40度〜50度くらいあります。
従ってラベルが溶けても糸は溶けない事になるのですが、ここで大訴訟になったのは、侵害者の製品は顕微鏡レベルで糸は融けているが、本件実用新案登録請求の範囲の「・・・中低圧ポリエチレン樹脂製糸は一切溶融しないで・・・」の記載中「一切溶融しない」とはどう言うことなのか、目視では融けていないけれども、顕微鏡で見ても融けていないのか、更に分子レベルでも融けていないのかと言う争いに発展したのです。


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