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知的財産権講座(94)

和歌山大学顧問

杉本特許事務所所長弁理士 杉本勝徳

「実用新案出願の要件(7)」
実用新案制度が平成5年から無審査制度に移行して以来、出願件数が激減した。それまでは年間数十万件出願され、特許出願を上回っていた。実用新案出願は平成4年9万4千件、平成5年に7万7千件だったのが、平成6年に1万6千件と激減し、平成28年は6480件となってしまった。

もっとも特許出願も2004年のピークには44万件だったのが、2016年には31万件に激減しているから、比例して減少したとも考えられるが、如何にも少ない出願件数が問題になっている。因みに平成28年度の意匠出願は3万879件、商標出願は16万1859件であり、実用新案出願の少なさが際立っている。そこで問題なのが、実用新案制度の存在が必要なのかということである。前々回にも触れたが、ライフサイクルの短い身の回り品では3〜4か月で登録になるメリットは大きいが、特許、意匠、商標のそれぞれの出願に比較して余りにも少ない。考案の構造的なものは特許出願で、外観的なものは意匠出願することによってカバーされるとも考えられることが、実用新案制度の存廃論につながるのである。

しかし特許出願には審査請求の壁があり、意匠出願では登録になる迄の時間の壁がある(8〜10か月)。外国の実用新案制度を検討することによって日本の制度の存廃について検討する必要があるだろう(数字は特許庁の行政年次報告書による。


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