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和歌山大学顧問
杉本特許事務所所長弁理士 杉本勝徳
「著作権について」 @
今回から何回かに渡って著作権について述べたい。知的財産権の中で、近年もっとも係争が多発している権利だ。その最大の理由は無審査で権利が発生すること。次に著作権を主張できる分野が芸術・文化に限らず産業界においても非常に広い事だ。そして3番目には著作権の権利期間が極めて長期であること。
著作者が著作物を公表してから死後70年(著作権法第51条)であるから、著作者が20才で著作物を公表して90才まで存命であれば、70歳プラス70年で140年も保護されることになる。この異常に長期の保護については、近年アメリカの主導でどんどん延長されたことが原因である。アメリカの独立時点では14年であったものが、28年に延長され(1909年)、更に75年に、または著作者の死後50年に延長された(1976年)。そして1998年に制定された著作権法では、出版から95年または創作から120年、そして著作者の死後70年とされたのである。
このことは1988年のベルヌ条約が発効されてからはそれに従って保護期間が制定された。日本もベルヌ条約に加盟していることや、環太平洋パートナーシップに関する包括的な協定によって2016年から、著作者の死後70年と改正された。それまでの日本はずっと著作者の死後50年であった。
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