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知的財産権講座(81)

和歌山大学顧問

杉本特許事務所所長弁理士 杉本勝徳

「特許取得の条件(8)」
前回、特許を取得できる第四の条件である発明の進歩性について説明したが、特許法第29条2項違反で拒絶理由の通知を受けても、単に反論するだけでは審査官の予想している範囲に入ってしまうので、拒絶理由を覆すことは難しいと説明した。

この場合の必須事項は、拒絶理由通知に対する意見書に代えて明細書の補正をする事だ。特に特許請求の範囲の補正は有効であるが、公知技術を見据えて特許請求の範囲の減縮(権利範囲を狭めること)をすることが肝要である。審査官の拒絶理由のポイントを的確に把握して、公知技術とバッティングしていると思われる特許出願の技術をカットして、29条2項に該当しなくなったことをアピールする。

簡単な例を示すと、ミシン目を入れることによって段ボール箱の折曲部分を曲げやすくする技術を特許出願したところ、ミシンとミシン目の入ったトイレットペーパー及び折曲された段ボールが示されて、この3つの技術によって当業者であれば容易に発明することができた、と拒絶理由を示された場合、3つの引用技術にはない、折曲部分のミシン目の間隔または孔の大きさ等に限定補正することよよって拒絶理由は解消される。但し、発明の詳細な説明又は添付図面に補正しようとする技術が明確に記載されている事が条件となる。この事は重要で、特許出願時点で考えられる範囲で出来るだけ多くの実施例を記載しておくことである。


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