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知的財産権講座(131)

和歌山大学顧問

杉本特許事務所所長弁理士 杉本勝徳

「不正競争防止法について」G
 前回、不正競争防止法第1条第1項第3号(以下同法という)において、いわゆるキャディバッグ事件に於ける判決を述べた。この事件の趣旨は、模倣の対象とされる商品は「自ら商品の形態を開発・商品化して市場に置いた者に限られる」のであって、他人の開発した商品を初めて市場に置いた者を保護する規定ではないということであった。しかし、今回はその反対というか、判決で否定された場合も保護されるとした事件で、いわゆる「ヌーブラ」事件である。

大阪地裁平成16年(ワ)第6772号事件では次のように判決を出している。『同法による保護の主体の範囲を考えると、先行者から独占的な販売権を与えられている者(独占的販売権者)のように,自己の利益を守るために、模倣による不正競争を阻止して先行者の商品形態の独占を維持することが必要であり、商品形態の独占について強い利害関係を有する者も、同法による保護の主体となり得ると解するのが相当である。』。

キャディバッグ事件では、市場に最初に置いた独占的販売者であっても開発者でないので同法の保護を受けられないとしたが、ヌーブラ事件では独占的販売者であって商品形態を自ら開発した者ではない単なる販売者にも、同法の保護を受けられるとしたことで、保護範囲を拡大した画期的な判断である。


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