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知的財産権講座(114)

和歌山大学顧問

杉本特許事務所所長弁理士 杉本勝徳

「商標について」I
 商標法第3条の商標登録要件を満たしていても尚登録出来ない場合を、第4条第1項第1号から第19号迄列挙している。極めて多くの登録出来ないものを列挙しているので重要なものだけを説明したい。1号は、日本はもちろん世界各国の国旗、3号は国際連合関係の名称や略称、4号は赤十字関係の名称や略称、6号は国や地方公共団体が使用する著名な名称,7号は公序良俗に反する恐れがある商標。

例えは皇室の菊花紋章に関係した商標、猥褻的な表現を連想させる商標は勿論であるが、それ以外でも公序良俗に反すると思われる商標で、他人が既に広く使用している商標についても登録は拒否される。インターネットの発達によって全国の何処かで使用されていても容易に検索される。8号は他人の氏名・名称や著名な雅号、芸名は登録できない。勿論「他人」であるから自らのありふれていない氏名は登録可能である。芸名は芸能人の名称であるが、著名なものに限って登録出来ないのであって、殆ど知られていないものについてはこの限りではない。

10号は他人が使用している商標であって指定商品に関連して周知なものについては登録できない。11号は商標登録出願前に既に他人が登録している商標は登録できない。当然のことながらダブル登録は出来ないからで、本号は最も多くの拒絶理由に引用されている。


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