和歌山大学顧問
杉本特許事務所所長弁理士 杉本勝徳
「商標について」L 登録できない規定に商標法第4条1項18号に「商品等が当然に備える特徴のうち政令で定めるもののみからなる商標」という規定がある。この規定は平成8年に立体商標登録制度が導入された時に制定された。従来の日本の商標制度は、すべ平面商標であり、たとえ立体的なライオンを商標出願する場合でも平面の図形にして出願することになっている。
平成8年の法改正では、それが一定の条件のもとで立体商標出願出来るようになった。一定の条件とは当該出願しようとする立体商標が立体として不可欠な形状ではないことだ。たとえば「自転車」を指定商品として自転車の立体形状を商標出願するときには、自転車として不可欠なハンドル、サドル、二輪を形状に含めないことが条件となる。
上記を含めないとなると自転車が成り立たないので指定商品「自転車」に自転車そのものの立体商標は登録できないことになる。電気店の店頭に「首を傾げた犬の立体像」が設置されているのをよく見かけるが、ビクター株式会社の著名な立体商標である。『主人の声とそっくりだが、主人は何処にいるのか』と思って犬が首を傾げているのだ。これは犬が聞き間違えるほどビクターのレコードの録音は優れているという意図だと思われる。ケンタッキーフライドチキンの店頭に立っている「カーネルサンダーおじさん」も著名な立体商標だ。
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